新しいカーテンと、眠れなかったかつての夜

新しいカーテンを買った。遮光性能の高い、暗い色のカーテンだ。

元々使っていたカーテンは真っ白。壁と同じ色なので、部屋がすっきり見えるので気に入っている。これは変えたくないので、新しいカーテンは白いカーテンの外側…内側?窓に近い方のカーテンレールに吊して、厚手のカーテンを二重にして使うことにした。

 

5月に入ってから、妙に早い時間に目が覚める。最近では5時前に起きてしまっていた。

目を開いて一番に「もう外が明るい」と気づく。白いカーテンも遮光2級ではあるのだか、南向きの窓から差し込む朝日を完全に遮るには至らない。そこで2枚目のカーテン導入に踏み切った。

 

 

 

この2年…いや、よく考えたらもう3年になる、うつに悩まされた期間は、同時に睡眠障害に苦しんだ期間でもあった。

睡眠薬を二種類飲んでもなかなか寝付けず、やっと眠ったと思ったら2・3時間で目が覚め、そのまま夜明けを迎える。

連休中に睡眠薬を飲まずに過ごしたら、36時間は覚醒し、その後倒れるように12時間眠り続けた。きっちり48時間サイクルということに人体の神秘を感じて精神科の先生に報告したら、呆れて「それじゃあ困るよね」って言われたっけ。

 

そんな感じで、外の明るさと睡眠のリズムが連携していない数年を過ごしてきたが、仕事をやめて3ヶ月休んでようやく、夜に眠り、朝起きる生活ができるようになった。

うつになる前なんて、休日は一日中寝ていられたし、なんなら涼しい秋の風に吹かれながら、日溜まりでうとうとすることに至福を感じてすらいたから、日の出とともに自然に目が覚めるとか、随分と真人間になった気がする。

 

とはいえ、仕事をしていると早く寝るのにも限界があるし、夏至の近づく今、朝日とともに目覚めていては睡眠不足が避けられない。幸い新しいカーテンがさっそく効果を発揮し、6時に目覚ましが鳴るまで、ぐっすり眠れるようになった。

たったこれだけの、普通のことでも、ああ私、ちょっとは良くなったんだな、よかった、と思える。新しいカーテンは眠れなかった日々に幕を引き、新しい生活を連れてきた。