下からぼんやり見上げた、データサイエンティストの需要について

 こんなアホなブコメをしてしまったんだけれど、今更恥ずかしくなってきた。

 

新型コロナウイルス不況でデータサイエンティスト・機械学習エンジニアは失業するのか - 渋谷駅前で働くデータサイエンティストのブログ

日本で現時点ではめっちゃ求人ある。私は「データ分析のお手伝い」的な仕事がしたくてこの1ヶ月間転職活動してたけど、統計がわかるかPython書けたらばっちこいみたいな。どちらもできない私はお呼びではなかったけど

2020/05/23 14:38

 

元記事はAI開発というデータサイエンティストの中でもトップクラスの人たちが活躍する最先端の世界の話だ。

一方の私のブコメは、「こんなデータあるんだけど、これで何かできない?」と言われたからレポート作るよ、みたいな営業やマーケティングや業務効率化のおまけみたいな、データサイエンティストと呼ばれる人たちが行う仕事でもかなり末端というか、高度な技術はそこまで必要のない世界の話。

うーん、見ているレイヤーが違いすぎる…。

 

じゃあ末端…この言い方はなんか違うかな…企業内で小規模な分析を扱うデータサイエンティスト達が、元記事で言われる「利益に関係ない部門だから、不況のあおりでバッサリ切り捨て」と無関係かというと、そうではないわけで。

ちょろっとデータを渡されて、四苦八苦しながらこねくりまわして何とか形にしたレポートが、すぐさま利益を生み出すことはないんだよなあ。当然リストラの対象になっておかしくない。

 

とはいえ、私がデータ分析の世界の隅っこでちょろっと居候していたたった5年の間にも、データの活用に対する企業の姿勢が、だいぶ前のめりになってきている気がする。

世の中に『AIによるデータ活用の成功事例』というのが華々しく発表されることが多くなり、それを見て、うちでもデータを分析で利益を産み出すorコストカットできる!という無邪気な信頼感が企業内で増している感じがあるのだ。

(その成功事例の中に、関わったことのある案件が含まれていて「嘘やん…めっちゃコケてたやん…」と突っ込んだことがあるんだけど、世間に出回ってる成功事例とやらは、どんだけ盛られてるものなんですかね…)

 

一般の企業では、まだまだ持っているデータを持て余している。みんなデータは宝の山だと言う。どうにかしてここから利益を得たいと期待している。

一方でデータサイエンティストたちは、現在は一時的なAIブームの最中に過ぎないと言う。そのうちバブルが弾ける日に備えなければと。(前職でもよく聞いたし、転職活動中に面接した会社でも言われた)

何かがすれ違っているような…うまく言葉にできないけれど…。

 

確かにAI開発となると、それなりの余裕がある企業でなければできない。けれどAI開発までは手が届かないが、とりあえず手元のデータを何とか活用したいという企業はたくさんあるし、これが一時的なブームで終わるとは思えないのだ。

いつの間にかデータは集める物から、勝手に蓄積されるものになった。いままで目に入っていなかったデータという「資産」を認識してしまった以上、これからはそれを無視することはできないんじゃないだろうか。そしてその用途は多様であるにも関わらず、取り扱いには専門の知識と技術が要求される。

頂点でAI開発というバブルが弾けても、裾野に広がった各企業内ではデータ活用の需要という地味な分野で、データサイエンティストは相変わらず必要とされ続けるのではないだろうか。

 

まあでも、データサイエンスの最先端であるAIバブルが弾けちゃうと、技術力の減衰とか、優秀な人が野に出て全体的にポジション不足とかにも陥っちゃうだろうから(すごくもったいない)、結局は裾野も困っちゃうのでしょうけど。

私みたいな機械学習が何もわからない人間からすると、もう機械学習とかAIとかは大きなツールの必要不可欠な一部として組み込まれてしまっていて、確かに「AI開発」を前面に打ち出したプロジェクトは頓挫することはあっても、部品としてのAI・機械学習のニーズは高まる一方なんじゃないかな、と思ってるんだけれど、もっと上のレイヤーを見てる偉い人たちはバブルだバブルだっていうから、やっぱりそうなのかな~?

 

 

何の具体例も引用もない、ふわっとした印象による、データ分析のお手伝いをしていた人からはデータサイエンティストの業界がこんな風に見えていたよ、というお話でした。

 

 

追記:2020/5/24

 ウボァ!? ありがとうございます!すみませんでした!